Cubaseでパラデータを書き出す方法|MIX師に渡すまで
Cubaseでパラデータを書き出す方法|MIX師に渡すまで
Steinberg Cubase で歌ってみた依頼用のパラデータを書き出す手順を、公式機能「Export Audio Mixdown」に沿って解説します。
歌ってみたMIXを依頼するときに必要になるのが「パラデータ(stems)」の書き出しです。本記事では、Steinberg社の DAW Cubase でボーカル各パートを個別ファイルとして書き出す手順を、公式機能に沿って解説します。
※ 本記事の操作は Cubase の公式機能「Export Audio Mixdown」に基づきます。Cubase 15 Pro でも同じ手順で書き出し可能です(メニュー位置・Channel Batch Export 機能ともに維持されています)。最新の正確な情報は Steinberg 公式マニュアル (v15) をご確認ください。
準備:書き出す前に確認すること
各トラックは別々に録音されているか
パラデータの書き出しは、各パートが別トラックに分かれていることが前提です。リードボーカル、コーラス、ハモリ、アドリブが1つのトラックに重ね録りされている場合は、書き出し前にトラックを分けるか、いったん受け入れる範囲をMIX師と相談してください。
頭出しが揃っているか
各トラックの開始位置(曲の頭)が揃っていることが重要です。Cubaseでは、各オーディオイベントの先頭をプロジェクトの「1.1.1」(小節の先頭)に揃えるか、すべて同じ位置から書き出すように設定します。後者については後述します。
手順 1:書き出し範囲(ロケーター)を設定する
書き出す範囲は、プロジェクトの左右ロケーターで指定します。曲の頭から最後の音が消える少し後までを含めるようにロケーターを設定してください。
- 左ロケーター: 曲の最初の音より少し前(例: 1.1.1 から)
- 右ロケーター: 最後のリバーブ/ディレイの残響が消えた直後
左右ロケーター間を選択するショートカットは、Cubase標準では「P」キー(選択中のイベントに合わせてロケーターを設定)です。
手順 2:書き出すチャンネルを選ぶ
メニューから File → Export → Audio Mixdown を開きます。表示されるダイアログの左側に、プロジェクト内のすべてのチャンネルが一覧で表示されます。
歌ってみた依頼の場合は、以下のチャンネルにチェックを入れます。
- メインボーカルトラック
- コーラス/ハモリの各トラック
- アドリブ・フェイクのトラック
- オフボーカル音源のトラック(依頼先のMIX師に確認。再度送る必要があるかは依頼内容次第)
「Channel Batch Export」機能を有効にすると、選択した複数のチャンネルを一括で別ファイルとして書き出せます。これがパラデータ書き出しの中核機能です。
手順 3:ファイル形式と品質を設定する
MIX師に渡す品質として、一般的に推奨されるのは以下です。
- File Format: Wave File (.wav)
- Sample Rate: 48000 Hz(プロジェクトのサンプルレートに合わせる)
- Bit Depth: 24 bit
- Channels: Mono または Stereo(録音時のトラック構成に合わせる)
サンプルレートとビット深度は、録音時の設定をそのまま維持するのが原則です。録音を44.1kHz/24bitで行った場合は、書き出しも同じ値にしてください。アップサンプリング/ダウンサンプリングは品質劣化の原因になります。
手順 4:書き出し先を指定して実行
「Path」セクションで保存先フォルダを指定します。各ファイルにわかりやすい名前を付けられるように、「Name」の欄でファイル名のテンプレート(チャンネル名やトラック名を含む)を設定しておくと管理が楽です。
「Export」ボタンを押すと、選択した全チャンネルが別々のWAVファイルとして書き出されます。
手順 5:書き出したファイルを確認する
書き出し後、以下を必ず確認してください。
- 各ファイルが想定通り別ファイルになっているか
- 各ファイルの開始位置が揃っているか(DAWで読み込んだときに頭がズレないか)
- 無音区間でクリック音やノイズが入っていないか
- ピークが0dBFSを超えてクリップしていないか
頭出しの揃え方として実用的なのは、「すべてのトラックを同じロケーター範囲で書き出す」方法です。これにより、書き出された各WAVは同じ長さ・同じ開始位置になり、MIX師がDAWに読み込むときに頭を揃える手間がかかりません。
ファイルをまとめて送る
書き出した複数のWAVファイルは、ZIP形式に圧縮してから送るのが一般的です。Mix-Axisの場合は、プロジェクト画面のアップロード機能で複数ファイルを一括アップロード可能です(WAV / MP3 / M4A / AAC に対応)。
Cubase 15 Pro での補足
Cubase 15 Pro (2025年10月リリース) でも、本記事の手順はそのまま使えます。Export Audio Mixdown のメニュー位置・Channel Batch Export のチェック方式・ファイル品質の設定項目は Cubase 13 / 14 / 15 を通じて変わっていません。新規追加された AI 系機能 (Voxengo Stage Drum など) はパラデータ書き出しには直接関係しません。
まとめ
Cubaseでのパラデータ書き出しは、File → Export → Audio Mixdownの「Channel Batch Export」機能で完結します。重要なのは、
- 各パートが別トラックに分かれていること
- 頭出しが揃っていること
- 録音時のサンプルレート/ビット深度を維持すること
の3点です。これらを押さえていれば、MIX師はスムーズに作業を開始できます。不安があれば、Mix-Axisの事前相談機能を受け付けている MIX 師に書き出し方法を事前確認してから依頼するのもおすすめです。